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随筆紹介 心暖まる日 

随筆紹介 心暖まる日 

作品紹介です。

先月、奈良朝鮮初級学校で行われたチャリティコンサートに参加、出演された許玉汝先生の随筆です。

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随筆            心暖まる日
                          許 玉 汝

 新緑が目に沁み、新しい生命の息吹が感じられる時節に、休校中の奈良朝鮮初級学校の講堂において<東日本大震災チャリティコンサート 祈りと希望,心ひとつに…>が開催された。
 民族楽器をはじめ様々な楽器で演奏活動を続けている同校卒業生を中心に、斬新な企画を立て、役員たちが同胞の家を一軒一軒訪問し、220人もの同胞、日本の友人が集まったチャリティコンサート! 同校で行われた行事としては過去に類例のない観客動員だった。
日本全土を震撼させた大地震と津波、原発による恐怖と怒りは、膨大な人々の胸に消すことの出来ない苦痛と悲しみを与え、悪夢のような現実の前にくずおれるしかないほどの無力感を残した。しかし奈良の同胞や役員たちは、2ヶ月前に赴任してきた本部委員長を中心に力強く立ち上った。奈良のウリハッキョ(朝鮮学校)が育んできた多くの同胞や芸術家の力を救援活動に生かそうと、何度も実行委員会を開きつつ一丸となって準備を推し進めてきたのだ。
私は去る2月13日に同校で行われた<朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー朗読会>に日本の詩人河津聖恵さんと共に出演した縁で、今回の公演において東日本大震災に関する詩の創作と朗読を行うよう依頼を受けた。その瞬間、何の迷いも無かった。それは被災地の方々のために私も何かをしなければと思い悩んでいた時期だったからであり、むしろその依頼に救われた思いがしたのだった。
本公演の日、講堂が狭くて入りきれない観客のために舞台放映用ビデオテレビを設置した教室まで満員になった。
出演者はほとんどが同校で学んだ後、祖国の平壌で通信教育を受けた青年たちだった。彼、彼女らはそれぞれ被災地の方々への想いを吐露した後、心に染みるような演奏を行った。その響きはまさしく祈り、希望へと昇華されていった。
同校の卒業生二人を中心に構成された京都在住のママさんグループであるMMMバンドが、同胞青年の間でよく歌われている<ハナ(一つ)>を歌った時
「リフレーン部分を一緒に歌おう」と観客に呼びかけたため、いっそう大きな感動を呼び起こした。
 祈り、希望そしてもう一つのテーマーである<心ひとつに>…。
 <一つになろう、一つになろう…>という歌詞を出演者と観客が心を合わせ声高らかに歌った時、その歌声が遥かかなたの東北、福島にまで届くように思われ感無量であった。
 感動と涙のうちにコンサートが終了した後、運動場では実行委員と出演者、関係者によるささやかな慰労会が開かれた。私はそこでもう一度感動的な場面を見ることになった。
 各界の方の挨拶に続き、この日集まった卒業生と元教員が紹介されたのだが、彼らの表情は奈良の民族教育にたずさわった誇りと自負心に満ち溢れていた。一人一人紹介されるたびに保護者や教え子たちが歓声をあげ、卒業生たちは「久しぶりに訪ねた母校が休校中にも関わらず、むかしのままの愛情に包まれていることに深い感銘を受けた」と語った。
 この日は、被災地の人々の復旧を支援しようという思いで企画された場ではあったが、それと同時に奈良の同胞、卒業生にとって新しい出発の日になったように私には感じられた。
 ――母校はいいなぁ。やはりウリハッキョがいいなぁ。学校は私の青春そのものだった。正門前の桜の木も花壇の花々も昔のように私たちを迎えてくれた。まさしくここは懐かしい我が家、私たちみんなの心のふるさとだ!
 異口同音にそう語る元教員と卒業生の姿を見ながら、私は奈良のウリハッキョが近い将来必ず再建されるであろうと思わずにはいられなかった。
 新緑の5月、1300年の歴史を誇る古都、奈良県で民族教育の火種は消えることなく燃え続けるであろうことを確信した心暖まる日であった。
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~ Comment ~

場所が変ると

いつも読んでいます。
こちらで見ると舞台が変わったような気がします。
また随筆も書いてください。

NoTitle

村木さま。いつもコメント有難うございます。村木さまが励まして下ったのでもうひとつ随筆書きました。<いつも会いたい人>です。是非お読み下さいね。オンニョ
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